UNICS

茨城大学公認PCサークル『UNICS』のブログです。

誰もいない秋葉原を撮る

今年の10月に秋葉原のカプセルホテルで一泊しました。午前3時過ぎ、ラウンジで作業にひと段落付けた私は、無人秋葉原を期待して散策してみることにしました。

普段私たちが知っている秋葉原は、オタクや外国人のにぎやかな雰囲気、メイドカフェの賑わいで満ちたエリアです。ところが、私の目の前に広がっていたのは、そんな光景が微塵も感じられない、静寂に包まれた風景でした。

秋葉原電気街口

アニメやゲームの看板があちこちに掲げられた、これほど有機質な街が静寂に包まれていると現実味がありません。雑な言い回しですがまさにゲームの世界に入ったような気がしました。

「誰もいない都市」を撮影するのは簡単ではありませんでした。完全な無人ではないからです。シャッターを押す瞬間、建物の陰から通勤するおじさんが現れ、また別の場所では酔いつぶれた学生が佇んでいたりと、何度も場所や角度を変えながら写真を撮りました。

秋葉原駅構内

通勤時間に差し掛かったころ私はホテルに戻りました。仮眠を取ってチェックアウトする頃にはすっかりいつものにぎやかな秋葉原に戻っていました。

象徴的な街に誰もいない、という相反する状況は、10月20日の明け方あの一瞬だけ、秋葉原が私だけの光景として存在していた。天空看板のでじこが自分だけに微笑んでいた。そんな錯覚を起こすには十分な体験でした。

 

(著:昼の向日葵)